ZtoA  

ZtoA  


「やっ! ちょっと~そんな不審者を見るような目で見ないでよ...最近どうかな 学校は?」

学校が終わり帰路につくマツィヤの前に現れたのは京楽総隊長 相変わらず軽い雰囲気ではあった

「どうもなにもねぇよ 別に成績は悪くない...素行とやらは悪いらしいけどな?」

「好みの子がいたらセクハラしたい気持ちは分かるけど限度には気を付けなよ~ 僕が良い例♪」

調子が良いものである とはいえこうも溌溂としているという事はそれはそれは得意げに見せられる良い手土産を持ってこれたのだろう

「まあ今から会いに行くのは色気の無い滅却師のお手伝いさんだけど」

「ダルヴァか...随分と会えるようになるまでに時間がかかったな?」

なにせダルヴァは重要参考人であったり推定反逆者であったりしたが今は信用を得られたようで 隊長格の選定のゴタゴタが済んですぐに京楽総隊長直々に来たという訳である

「時間はかかったけど大手を振って会えるようにいたからさ 他の皆にも連絡してあるからし新十三番隊隊長も来る予定だよ」

その話を聞くマツィヤは話半分に少し帰路を急ぐ 学校の鞄を置いて早く向かうために


「涅隊長...?なぜ貴方が十三番隊隊舎にダルヴァを運んでらっしゃるのですか?」

「いかに私が非凡の才とはいえこれでも多忙な身でネ 盆栽に関しては彼をさっさと持って来た方が時間短縮になる...それだけだヨ」

話に上がったダルヴァは適当にそこらに放り投げられている 眠八號がダルヴァをじっと見ていたがマユリが立ち去ろうとしているのをみてチラチラ見ながら帰っていった

「なんだか知らぬが被造魂魄の成長においての意見を聞かれて答えたら...次は盆栽じゃと?そもそも定期的に見ておるし問題は無いはずじゃぞ」

本来は十三番隊隊長となったルキアが迎えに行く予定だったが仕事が立て込んでいたため 京楽総隊長が涅隊長に頼んだのだが...少なくとも現場の二人は知らない

文句を言いつつも早速盆栽の様子を見て確認しているダルヴァを見つつルキアは他の者が来るのを待った

「やはり問題は無いようじゃがのう...」


「相変わらず草だの木だの見てるんだなダルヴァ」

「まあそうじゃな...これは人の所有物じゃから食わんぞ」

「散々どこでもかしこでも草食ってたやつが言っても説得力ねぇよ」

久しぶりにあった親子か兄弟か...どちらでも良い 要は家族との会話だったが

だからこそある意味いつもの調子で二人は話した

お互いに『なんだかんだ死なずに生き残るだろう』という正でも負でもある確信が持てるようになったのだ

「久しぶりだな ダルヴァ」

少しだけマツィヤの後に続いて十三番隊隊舎に訪れた一護たちと現世の仲間たち

「ああ おぬしらも来たのか 最近みて分かる通り朽木ルキアが隊長に...」

一護 井上 チャドの三人は『ドゴォッ』という重い音を響かせてダルヴァに一発グーパンを決めた

「これはあの時色々かき乱しやがった分の礼だ これに懲りたら反省しろ」

「私の分はマツィヤちゃんが泣いてた分だよ!」

「...俺はダルヴァがいない間マツィヤの暴走を止めるのに尽力した分だ」

内容に依るモノなのか単に腕力か痛みに関してはチャドの一撃が一番痛かった

石田は裏切りなんぞで思うところがあるのか無言でメガネをキラっとさせただけに留まった

ただダルヴァは堅い そんなものを地面に叩きつければ...

「なにをやっておるか たわけ!?床に穴が開いたではないか!」

アワアワしながらルキアが一護に文句を言う 穴が開いたのは井上の分からであるが

「儂が直すから安心せい ...全く上手くはいかぬ事ばかりじゃが

案外楽しいものじゃな──人生というものは!」


十番隊隊舎にて

「隊長~?アレ取ってきましたよ~!」

松本副隊長がなんだかネギっぽいものをいくつか摘んで持ってきていた

「松本 お前...」

「いや 隊長最近元気ないし結構前に言ってた『ノビル』取って来たんですよ」

色々治療が必要であったりダルヴァが工事に連れ出されてあまり話をする機会がなく あの戦いの後日番谷隊長とダルヴァは面を合わせて話すことが無かった

だが 話をする理由が出来そうである

「松本 それは似てはいるがその草は『スイセン』だ 毒だから絶対に食うなよ!」

「えぇー!?」

とりあえず松本副隊長に下手に取るなとダルヴァに指導してもらおう そう思ったのであった

Report Page