AVOVE THE SKY
1「オエッ...くそ不味いけどどうにか体は治ったな ゾンビの野郎には目を付けられなかったのは..."偶然"とはいえ日番谷隊長たちから死角になっていたからか
『不幸中の何とやら』だな」
マツィヤは蒼都の敗走の後も動くことが出来ず回復に専念していた 回復している内に日番谷隊長と乱菊副隊長が青い髪の推定男性と思しきギャルにゾンビとして連れていかれるのを見ているしか出来なかった
マツィヤは他の隊士達とは特に出会わずに一直線に一護たちと合流した 多少の心配をされつつもつつがなく発射され霊王宮へと到着する
「テメェらには悪いが...俺はダルヴァを探す どうせ何かしらの方法でこっちに来てるだろうしな」
霊王の元へ急ぐ一護らとは離れマツィヤはダルヴァを探すことにした
まあ大体 和尚がダルヴァを見ておらず確実にユーハバッハとは別行動をしていると推測したためである
世界の綻び?確かに大変そうだ...だがマツィヤにとってその世界というのはほぼダルヴァから教わりほんの少しを自身の眼で見たものが全てだ その重さは冷静に見えて錯乱しているマツィヤにとって分からない物だ
一方...ダルヴァ視点
「さて...二人の亡骸も簡易であるが弔ったからサッサと陛下の元へ行くとしようかのう」
亡骸となったBG9の表情はどうにも分からないが蒼都の表情は少しだけ晴れやかに見えた
...件の陛下が石田や親衛隊を連れて霊王宮行っているのに気づいたのはどうもしようがないことだ そういうことにしよう
「こんな事もあろうかと影から写しを取った通天道図...それと現世のロケット技術を真似た絡繰り...これで追うのがベストじゃのう」
他の滅却師を誘わないのはそれが一人乗りであり 登りたければ各々登る方法を見つけて行けばいいと思っているからである
流魂街の研究所から持って来たりして組み立てと機体の最終チェック 航路と順に準備を進める
空が青く光った 『聖別』である
作業の手を止め空の見える場所へと向かった 案外と早く蒼都と再開するかもしれないと思いつつ その光が自身に落ちるのを待ったが...一向に来なかった
「儂はもう少し手駒として使っていただけるのか ならば忠臣として一層の活躍をせねばならぬ...片道分の飛翔距離が確保できておればどうにかなるじゃろ」
居住性など特に考えず 過去にただ宇宙空間に人を乗せて飛ばすことだけを考えていた現世の時代の産物に乗り込む
『地球は青かった』などと言う相手はいない その空の航海はあまりエンターテイメントに富んでいるとは言えないものだった